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MV制作が加速する!After Effectsのスクリプト×エクスプレッションで自動化する方法

更新日:5月10日

MV(ミュージックビデオ)制作は、「時間がかかる」「修正が面倒」「作業が単調になりがち」など、継続するうえでのハードルが多いものです。After Effects(AE)での自動化は、制作効率とクオリティを両立させる強力な手段であり、特にスクリプトとエクスプレッションの組み合わせは、歌詞MVやAI楽曲MVの量産に非常に有効です。

本記事では、MV Lyric Toolsを中心に、実際のワークフローや自動化のメリット、具体的なエクスプレッション例まで詳しく解説します。


1. MV制作における自動化のポイント

MV制作で自動化が活躍する主なポイントは以下の3つです。

·        歌詞の自動配置(セクション単位)

·        音声マーカーとの同期(拍やビートの連動)

·        エフェクト・アニメーションの一括制御

従来の「手打ちキーフレーム」では膨大な時間がかかっていた作業も、スクリプトやエクスプレッションを活用することで数秒~数分で処理できるようになります[1][2]。これにより、作業の属人化や人的ミスも大幅に減らせます。


2. スクリプトでできること(MV Lyric Toolsの例)

筆者が開発・使用している「MV Lyric Tools」は、After Effectsのスクリプト機能を活用し、以下の操作を自動化します。

·        歌詞テキストファイルの読み込み

·        セクションごとのコンポジション自動生成

·        音声ファイルへのマーカー自動追加(BPMやピーク検出対応)

·        マーカーと歌詞のタイミング自動整列

·        各レイヤーのアニメーション初期化

このようなスクリプトを使うことで、歌詞のタイミング合わせや大量のテキストレイヤー作成といった「単調だけど重要」な作業を一括で処理でき、クリエイティブな作業に集中できる環境が整います[3][1][4]

> ※導入・使い方などは別記事またはダウンロードページで案内


3. エクスプレッションで追加できる表現

自動生成されたレイヤーにエクスプレッション(After Effects内のJavaScriptベースのコード)を加えることで、動きや表現の幅を一気に広げられます[2][5]

よく使うエクスプレッション例:

·        オーディオリアクティブなスケール変化


s = thisComp.layer("Audio Amplitude").effect("Both Channels")("Slider");

[100 + s/5100 + s/5]


日本語環境の場合は

s = thisComp.layer("オーディオ振幅").effect("両方のチャンネル")("スライダー");

[100 + s/5100 + s/5]


これをスケールのエクスプレッションに適用する


·        テキストの揺らぎアニメーション


freq = 3;

amp = 15;

x = value[0] + Math.sin(time*freq)*amp;

y = value[1];

[x,y] これをテキストレイヤーのポジションのエクスプレッションに適用


·        ランダムな点滅


seedRandom(index + Math.floor(time * 5), true);

random() > 0.5 ? 100 : 0;


これを不透明度のエクスプレッションに適用



エクスプレッションを使うことで、各レイヤーの動きを音楽や他のレイヤーと連動させたり、複雑な動きを一行のコードで実現できます[2][5]。また、wiggleやloopOutなどの定番関数も活用することで、自然な動きやループアニメーションも簡単に作成できます[2][5]


4. 自動化の利点:「80%自動化 × 20%感性」

このワークフローの最大の特徴は、**「約80%の工程を自動化し、残り20%を人間の感性で仕上げる」**という考え方です。

·        修正・量産が圧倒的に早い

·        細部だけ自分で「味付け」できる

·        エラーや仕様変更にも柔軟に対応できる

自動化によって反復作業を省きつつ、最終的な“見せ場”や“個性”は手作業で微調整できるため、効率とクオリティの両立が可能です[6][7]


5. まとめ

After Effectsのスクリプトとエクスプレッションは、MV制作の効率化・高品質化を実現する強力なツールです。「手間をかけずに高クオリティを実現したい」「AI楽曲のMVを次々に作りたい」という方にとって、まさに最強の味方となるでしょう[2][3][6]


参考文献からの補足ポイント

·        After Effectsのエクスプレッションは、プロパティ間の連動や自動化、複雑な動きの生成に最適[2][5]

·        スクリプトや自動編集ツールを使うことで、音楽に合わせた自動編集や大量の素材管理も容易[3][1][4]

·        自動化は「効率化」「一貫性」「コスト削減」といったビジネス面のメリットも大きい[6]


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