AI音楽は『構造』を支配できるか? —— 楽曲『多勢に無勢』に刻まれた「AIの抵抗」と人間の意志
- Kimio 九奏

- 2025年12月30日
- 読了時間: 2分

【導入】 Dbm が Db に変わった時、物語は完成した
新作『多勢に無勢』を公開して数時間。YouTubeの再生回数がわずか15回だった頃、そこには1件の「低評価」が刻まれていました。

しかし、その不条理こそが本作の完成を告げる合図でした。
本作は、AIという巨大な「マジョリティ(多数派)」のアルゴリズムに対し、人間の意志を98%の精度で刻み込む実験的な試みです。
【核心】 98%の制御:GeminiからSuno AIへのリレー
本作の制作プロセスは、従来の「AI任せ」とは一線を画します。
思想の設計: 歌詞の持つ陰鬱なディストピアを表現するため、Geminiを用いて、AIが通常は回避しようとする不穏なコード進行( Dbm や Ebm )を導き出しました。
意志の強制: そのコード進行をSuno AIに指定し、さらにカバー音源をトレースさせることで、演奏と歌唱のニュアンスまでを人間の管理下に置きました。
しかし、ここで「事故」が起きました。AIが Dbm(マイナー)を勝手に Db(メジャー)へと反転させたのです。
【考察】 「多数派(メジャー)」という名の暴力
AIは本能的に、一般的で安定した「明るい響き」を好みます。私が指定した「個の苦悩(マイナー)」を、AIのアルゴリズムという「多数派(メジャー)」が飲み込み、塗りつぶそうとした跡。
Dbm: 内的な苦悩、少数派の真実。
Db: 外側から強制される幸福、塗りつぶされた意志。
この「意図せぬ明るさ」がもたらす不気味な違和感こそが、本作のテーマである「多勢に無勢」を、メタ構造として完成させてしまったのです。
【結実】 15再生の絶望を、80再生の共鳴が塗り替えるまで
公開直後の低評価は、この「不気味な違和感」に対するマジョリティの拒絶反応だったのかもしれません。
しかし、80再生を超えた頃、一人の視聴者から震えるほど深いコメントが届きました。


「AIが作曲を担うことで、天秤が歌詞(意志)に傾いてきている」
この言葉は、Sound Inspireが目指す「AIを楽器として支配し、思想を研ぎ澄ませる」という道が間違っていないことを証明してくれました。

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【結び】 数の論理を超えて
フォロワーが減り、低評価がつくことを恐れる必要はありません。
「普通」であることが正義とされる世界で、私たちはこれからもAIとのせめぎ合いの中に、
微かな『個』の真実を刻み続けます。


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