「正常」であり続けることの痛みについて —— MV『Mist Error』制作後記
- Kimio 九奏

- 11月23日
- 読了時間: 2分
Sound Inspireの作詞担当 兼 専属MV監督 Kimio 九奏です。
新曲『Mist Error』のMV、もうご覧いただけましたか?
11/23 20:00配信 ダイジェスト版はTilTokで配信してます。 https://www.tiktok.com/@soundinspire9/video/7575800496707915015?is_from_webapp=1&sender_device=pc&web_id=7540461807451325959
今回はリップシンク、 歌に合わせて歌う動画を作成し、MVに使用しました。
リップシンクに関連する記事は別で扱いますね。
さて、今回の映像制作において、僕が最もこだわったテーマは「否定することで浮き彫りになる感情」です。
主人公は徹底して自分の状態を「数値」で管理しています。
BPMは60、体温は36.5℃。
画面上には常に無機質なパラメータやシステムログを表示させ、
視聴者である皆さんにも「これは機械的なレポートである」と認識させる演出を施しました。

■ 注目してほしいシーン 特に注目してほしいのは、
中盤の "Smile" 画像データが破損しているシーンです。
ここでは、あえて画面に激しいノイズ(グリッチ)を走らせています。
「画像が壊れている」という事実以上に、「その思い出に触れようとした瞬間に、心が乱れた」ことを視覚的に表現したかったからです。

胸の痛みを「エラー」と定義し、涙を「機能不全」と断じる。
そうやって必死に自分を「機械」の枠に押し込めようとする姿こそが、
誰よりも人間臭く、悲痛なほどに感情的だと感じてもらえたら嬉しいです。
■ 最後に ラストシーン、システムの強制終了(シャットダウン)は、救いだったのか、それとも諦めだったのか。
それは画面の前で見届けてくれたあなたの解釈に委ねたいと思います。
この『Mist Error』が、あなたの心のどこかにある、名前のつけられない感情に触れることができれば本望です。
感想、コメント欄やXで待っています。全部読んでます。
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