AIでMVを作る前に、まず「1文」を決める。歌詞をなぞるだけの映像にしないための工夫
AIにミュージックビデオ(MV)の企画を任せると、画はきれいに仕上がります。
でも通して見ると、「このMVは何を言いたいんだろう」と感じることがありました。
Sound Inspireでは、MVの制作を自作の管理アプリで進めています。この記事では、その企画の一番最初に足した「1文を決める」工程と、同じ曲で作り直して分かったことをまとめます。
この記事の要点
AIに歌詞を渡すと、歌詞の1行ずつをそのまま絵にする企画になりやすい
そこで、画を作る前に「言いたいことを1文」と「音・歌詞・映像がそれぞれ何を受け持つか」をファイルに書かせ、書かなければ先へ進めない形にした
同じ曲で作り直すと、歌詞をそのまま映すシーンは73行中16行(約22%)。ただし、1つの場所にシーンが集まる割合は前も後も約57%で変わらなかった
「テーマ」ではなく「向きのある1文」
「喪失」や「恋」はテーマです。どこへ向かうかはまだ決まっていません。
物語づくりでは昔から、「〇〇は△△になる」のように向きを持った1文を土台にする、と言われています。今回の曲『あの日の床は何℃だったろうか』で選んだ1文はこれです。
測れない身体記憶は、正しい名前にならなくても、自分で確かめて次の一歩を選ぶ根拠になる。
あわせて、このMVが「言わないこと」も決めました。「正しい数値や感情名が見つかれば傷が消える、とは言わない」。
同じ歌詞の場面が、こう変わった

「白い布には触れなかった」という歌詞の場面です。前のMVでは、主人公が布に手を伸ばしていました。歌詞のとおりですが、歌詞が言っていることを映像がもう一度言っています。
作り直したMVでは、布は机に残り、主人公は離れて座って、手にはノートを持っています。慰めを受け取らない代わりに、自分の記録を手放さない。この「代わりに」は歌詞にはありません。
アプリでどう守らせているか、どこが変わらなかったかは、noteにまとめています。
※数字は2026年10月時点、1曲だけで比べた結果です。



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